子どもの矯正歯科

急速拡大装置は、上顎に装着し、中央のネジを回すことで少しずつ顎のスペースを広げるための装置です。

顎の左右の骨のつなぎ目である「中口蓋縫合（せいちゅうこうがいほうごう）」に力を加えることで、上顎を拡大し、歯が並ぶためのスペースを作り出します。

急速拡大装置を使用して上顎を広げると、鼻腔が広がり、自然に鼻呼吸が促されます。鼻呼吸ができるようになることで、次のようなさまざまなメリットが期待できます。

• 喘息改善
• アトピー性皮膚炎改善
• アレルギー性鼻炎改善
• 睡眠時無呼吸症候群改善
• 咀嚼機能向上
• 学習能力向上の可能性

成長発育矯正の目的の一つは、鼻呼吸を習慣化することです。口呼吸を続けると口の中が乾燥しやすくなり、細菌が繁殖しやすい環境になります。その結果、風邪を引きやすくなり、虫歯や口臭の原因にもなります。

さらに、口呼吸は歯並びにも影響を与えると言われています。専門的な話になりますが、簡単に説明すると、舌は通常、上顎の前歯の歯茎に触れているのが正しい位置です。しかし、口呼吸をしていると舌の位置が低くなり、上顎の発育を妨げてしまいます。

健康な歯並びと全身の健康のためにも、鼻呼吸を習慣づけることが非常に重要です。

歯並びが悪くなる原因の一つに「舌癖（ぜつへき）」があります。例えば、特に意識せずに舌が常に歯に触れている状態は舌癖と呼ばれます。

このように継続的に弱い力が歯にかかると、歯が動いてしまうことがあります。当院では、舌癖を改善するためのトレーニングを行い、歯並びが悪くなるのを防ぐお手伝いをしています。

 

当院では、キッズスペースをご用意しています。治療前にリラックスする時間や、保護者の方が治療を受けている間のお子様の待機場所としてご利用いただけます。

また、治療を頑張ったお子様へプレゼントもご用意しています。このプレゼントを楽しみにして診察に来てくれるお子様も多くいらっしゃいます。

 

当院では必要に応じてCT検査を行っています。一般的な二次元レントゲンとは異なり、CTでは三次元的に撮影することが可能です。これにより、お口や顎の構造を立体的に捉え、精密な診査・診断が可能です。

近年は食生活の変化などから、顎が小さく、歯が大きい子どもが増えました。そうなると歯並びは悪くなってしまいます。また、子どものうちからぎっしりと歯が並んでいて、親御さんが良い歯並びだと思っていても、大人になると悪い歯並びになってしまうことがありますので、小学校低学年のうちに一度は歯列の相談に来ていただくことをお勧めしています。
当院では、矯正を通じて子どもたちの輝く未来をサポートさせていただきたいという方針で日々診療にあたっています。歯並びだけでなく、全身の骨格も見ながら矯正をしていくことで、呼吸や睡眠、姿勢など全身状態も良くなりますので、矯正治療を通して子どもたちの輝く未来につながっていけばいいなと考えています。