
2026年7月29日

「うちの子、いつも口が開いている」「寝ているときに口で息をしている」。お子さまの口呼吸が気になっている保護者の方は少なくありません。
先に結論をお伝えすると、子供の口呼吸は、単なる癖ではなく、歯並びや顎の成長、さらには睡眠や集中力にも関わることがあるため、早めに気づいて原因を確かめておきたいサインです。原因は鼻の問題から口周りの筋力、歯並びまでさまざまで、原因に応じた対応が必要になります。
この記事では、子供の口呼吸について、原因、放置した場合のデメリット、そして治し方までを一通り整理しました。木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科の視点から、国内外の研究にも触れながらお伝えします。
口呼吸とは、本来は鼻で行うべき呼吸を、口で行っている状態を指します。人の体は、鼻で呼吸することを前提につくられています。鼻には、空気を温め、加湿し、ほこりやウイルスを取り除くフィルターの役割があります。口呼吸ではこの機能が働かないため、さまざまな影響が生じることがあります。
次のような様子が見られる場合、口呼吸のサインかもしれません。日中や睡眠中に口がぽかんと開いている。寝ているときにいびきをかく。食事のときにくちゃくちゃと音が出る。朝起きたときに喉が渇いていた。唇がいつも乾燥している。こうしたサインに早めに気づくことが、対応の第一歩になります。

口呼吸は「癖」と思われがちですが、その背景には原因があることがほとんどです。原因に応じて対応が変わるため、まず何が関係しているかを見極めることが大切です。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで慢性的に鼻がつまっていると、鼻で息がしづらいため、自然と口で呼吸するようになります。鼻の問題が背景にある場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要になることがあります。
当院では江東区大島のよし耳鼻咽喉科と医療連携をとっております。
喉の奥にある口蓋扁桃(扁桃腺)や、鼻の奥にあるアデノイドが大きくなると、空気の通り道が狭くなり、口呼吸になりやすくなります。これらは成長とともに小さくなることも多いのですが、程度によっては医科での対応を検討します。子供の鼻づまりやいびきとの関係については、※現在準備中<子供の鼻づまり・いびきと歯並びの関係>で詳しく解説しています。
上顎の幅が狭いと、舌を上あごにつけるスペースが足りず、舌の位置が下がって口が開きやすくなります。骨格的な要因が関わるため、歯科的なアプローチが有効な場合があります。
唇を閉じる筋力が弱かったり、舌で歯を押す癖(舌癖)があったりすると、口が開いたままになりやすくなります。やわらかい食べ物が中心の食生活なども、口周りの筋力に影響すると言われています。
口呼吸を続けると、さまざまな影響が生じることがあります。ここは特に知っておいていただきたい部分です。
口呼吸は、歯並びや顔の骨格の発育に影響することが、研究でも示されています。口呼吸の小児と鼻呼吸の小児を比較したシステマティックレビュー・メタ分析では、口呼吸の小児のほうが上顎が狭くなりやすく、下顎が後方に位置する傾向があり、上顎前突(出っ歯)を含むClass IIの不正咬合が多く見られたと報告されています(Zhao et al., 2021)。
口が開いた状態が続くと、舌が本来あるべき上あごの位置につかず、頬の筋肉の圧力とのバランスが崩れます。その結果、上あごの成長が横に広がりにくくなり、歯が並ぶスペースが不足しやすくなると考えられています。
口呼吸が長期間続くと、下あごが下がり、面長で締まりのない顔つきになりやすいと言われることがあります。これはアデノイド顔貌と呼ばれることがあります。口呼吸と歯並び・顔つきの関係については、<※現在準備中:口呼吸と歯並び・顔つき(アデノイド顔貌)の関係>で詳しく解説しています。
口の中が乾燥すると、だ液による自浄作用が働きにくくなり、むし歯や歯肉炎のリスクが高まることがあります。だ液には口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える役割があるためです。
睡眠中の口呼吸は、いびきや睡眠の質の低下につながることがあります。睡眠が浅くなると、日中の集中力や落ち着きに影響する可能性も指摘されています。呼吸と睡眠は、お子さまの成長全体に関わる大切な要素です。

口呼吸の改善は、原因に応じたアプローチが基本になります。原因を見極めずに対処だけしても、十分な効果が得られないことがあります。
鼻づまりが背景にある場合は、まず耳鼻咽喉科で鼻の状態を整えることが優先されます。鼻で楽に呼吸できるようにならなければ、口呼吸の改善は難しいためです。歯科と医科が連携して進めることもあります。
唇や舌の筋肉を鍛えるトレーニングは、口呼吸の改善に用いられます。代表的なものにガム噛みトレーニング、「あいうべ体操」があります。あいうべ体操や口テープなどの具体的な方法については、<※現在準備中:鼻呼吸トレーニング(ガム噛みトレーニング・あいうべ体操・口テープ)>で詳しく解説しています。舌を正しい位置に保つ習慣づけも大切です。
上顎の幅が狭いことが原因の場合、上あごを整えることで鼻腔の容積が変化し、鼻で呼吸しやすくなる場合があります。上顎の拡大に用いる急速拡大装置については、急速拡大装置とは|効果・期間・床矯正との違いで解説しています。また、口周りの筋機能を整えることを目的とした装置が用いられることもあります。どのアプローチが適しているかは、原因の見極めによって変わります。
よく噛んで食べる習慣は、口周りの筋肉の発達を促します。日中に口が開いていることに気づいたら、そっと声をかけて意識づけをすることも、少しずつの改善につながります。

木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科では、口呼吸を「歯並びの問題」だけでなく、呼吸や睡眠、成長全体に関わるサインとして捉えることを大切にしています。
口呼吸の原因は一人ひとり異なります。鼻の問題が背景にあれば耳鼻咽喉科との連携が必要ですし、上顎の狭さが関わっていれば歯科的なアプローチが有効な場合もあります。当院では、まず原因を見極めたうえで、お子さまに必要な対応をご提案することを心がけています。
当院では、厚生労働省認定の歯科医師臨床研修指導医であり、日本矯正歯科学会や日本小児歯科学会に加え、日本睡眠歯科学会、日本睡眠学会、日本小児呼吸器学会にも所属する院長が、診断とご説明を担当します。歯並びと呼吸、睡眠を横断的に診ていく視点を大切にしています。院長の詳しい経歴や保有資格は院長プロフィールをご覧ください。
子供の口呼吸は、鼻の疾患、扁桃肥大やアデノイド、上顎の狭さ、口周りの筋力低下や舌の癖など、さまざまな原因で起こります。放置すると、歯並びや顎の成長、顔つき、むし歯のリスク、睡眠や集中力にまで影響することがあります。
改善のためには、まず原因を見極め、それに応じた対応をとることが大切です。鼻の問題なら耳鼻咽喉科、筋力や癖ならトレーニング、骨格が関わるなら歯科的アプローチと、原因によって進め方が変わります。
お子さまの口がいつも開いている、いびきをかくといったサインが気になる場合は、一度ご相談ください。木場・東陽町で子供の口呼吸が気になる際は、THREE歯科・矯正歯科までお気軽にお問い合わせください。歯並びとの関係が気になる方は、下記コラムもあわせてご覧いただけます。
原因によって異なります。扁桃肥大やアデノイドが原因の場合、成長とともに改善することもあります。一方、鼻の疾患や上顎の狭さ、癖が原因の場合は、自然には治りにくく、原因に応じた対応が必要になることがあります。まず原因を確かめることをおすすめします。
研究では、口呼吸の小児は上顎が狭くなりやすく、出っ歯を含む不正咬合が多く見られる傾向が報告されています。口が開いた状態が続くと、舌や頬の筋肉のバランスが崩れ、顎の成長や歯並びに影響することがあると考えられています。
原因によって相談先が変わります。鼻づまりが背景にある場合は耳鼻咽喉科、歯並びや上顎の狭さ、口周りの筋機能が関わる場合は歯科が対応します。どちらが関係しているか分からない場合は、歯科で相談し、必要に応じて連携する方法もあります。
ガム噛みトレーニング、あいうべ体操は、唇や舌の筋肉を鍛えることを目的とした体操で、口呼吸の改善に用いられています。ただし、鼻づまりなど別の原因がある場合は、それだけでは十分でないことがあります。原因に応じて組み合わせることが大切です。
口テープが用いられることはありますが、鼻がつまっている状態で口をふさぐと、かえって呼吸を妨げる可能性があります。使用を検討する場合は、まず鼻で呼吸できる状態かを確認し、歯科医師や医師に相談することをおすすめします。
なお、本記事で紹介した研究は一般的な学術的知見であり、特定の治療効果を保証するものではありません。口呼吸の原因や適切な対応には個人差があり、最終的な判断は診察のうえで個別に行います。鼻の疾患が疑われる場合は、耳鼻咽喉科などの専門医療機関にご相談ください。
小児における口呼吸が顔面骨格発育に及ぼす影響:システマティックレビューとメタ分析 Zhao Z, Zheng L, Huang X, et al. Effects of mouth breathing on facial skeletal development in children: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2021;21:108.
小児の口呼吸と歯性不正咬合への影響:観察研究のシステマティックレビュー Fraga WS, et al. Mouth breathing in children and its impact in dental malocclusion: a systematic review of observational studies. Minerva Stomatologica. 2018.(PMID: 29879804)

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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