
2026年7月29日

「学校に持っていくのは難しそうだから、寝るときだけで済むなら始めたい」。子供のマウスピース矯正を検討する保護者の方から、よくいただくご相談です。
先に結論をお伝えすると、寝るときだけで効果が期待できるかどうかは、使う装置によって答えが正反対になります。就寝時を中心とした装着で設計されている装置もあれば、1日20時間以上の装着が前提で、寝るときだけではまったく足りない装置もあります。この違いを知らないまま始めてしまうと、「続けたのに変わらなかった」という結果になりかねません。
この記事では、子供のマウスピース矯正について、装置ごとの装着時間の違い、寝るときだけで対応できる症例とできない症例、費用やデメリットまでを整理しました。木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科の視点からお伝えします。
小児矯正の全体像から確認したい方は、下記コラムもあわせてご覧ください。
結論から整理します。寝るときだけで効果が期待できるかは、装置の種類と治療の目的によって決まります。
子供向けのマウスピース型装置は、大きく2つの系統に分かれます。ひとつは、顎の成長や口周りの筋肉の使い方を整えることを主な目的とする装置です。もうひとつは、歯を一本ずつ計画的に動かすことを目的とする装置です。
前者は就寝時を中心とした装着で設計されているため、寝るときだけに近い使い方が可能です。後者は歯を動かす力を継続的に加える必要があるため、1日20時間以上の装着が前提となり、寝るときだけでは時間がまったく足りません。
同じ「子供のマウスピース矯正」という言葉でも、中身が異なるという点をまず押さえておくことが大切です。

代表的な子供向けのマウスピース型装置について、装着時間の目安を整理します。
プレオルソは、やわらかい素材でできた上下一体型のマウスピース型装置です。歯を強い力で動かすというより、顎の成長を誘導し、口呼吸や舌の癖といった習慣にアプローチすることを主な目的としています。
装着時間の目安は、就寝時に加えて、日中1時間程度とされることが一般的です。学校に持っていく必要がないため、「寝るときだけ」に近い運用ができる装置といえます。適応年齢は5歳から10歳前後が中心です。
T4Kも、やわらかいシリコン製のマウスピース型装置です。プレオルソと同様に、舌の癖や口呼吸、指しゃぶりといった悪習癖の改善を主な目的としており、就寝時+日中の短時間という装着設計になっています。
インビザラインファーストは、一人ひとりの歯列に合わせて作製される透明なマウスピース型装置です。3Dのシミュレーションに基づき、歯を計画的に動かしていきます。
この装置の装着時間は、1日20時間以上が原則です。つまり、食事と歯みがきの時間以外は装着しておく必要があります。就寝時間を8時間とすると、寝るときだけでは10時間以上足りない計算になります。装着時間が不足すると、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びたり、想定した結果が得られなかったりすることがあります。
「マウスピース矯正」という同じ呼び方でも、プレオルソとインビザラインファーストでは、求められる装着時間がまったく違うという点にご注意ください。
就寝時を中心とした装着で対応しやすいのは、次のようなケースです。ただし、適応の判断は診察のうえで個別に行います。
口呼吸、舌で歯を押す癖、指しゃぶりといった習慣の改善を目指す場合。歯並びの乱れが軽度で、大きな歯の移動を必要としない場合。そして、乳歯と永久歯が混在する時期の早い段階にある場合です。
つまり、「歯を並べる」というより「土台と習慣を整える」ことが目的なら、就寝時中心の装着でも成果が期待しやすくなります。
※現在準備中
一方で、次のような場合は、就寝時だけの装着では対応が難しくなります。
歯の重なり(叢生)が強く、大きな歯の移動が必要な場合。骨格的なずれが関わっており、顎の位置関係から整える必要がある場合。永久歯が生えそろい、一本ずつ計画的に動かす段階に入っている場合です。
こうしたケースでは、日中の装着時間を増やす、固定式の装置を用いる、あるいは二期治療でのワイヤー矯正を検討するなど、別のアプローチが必要になります。
特に注意していただきたいのが、骨格的な要因が関わるケースです。取り外し式の装置は、装着時間が守れるかどうかで結果が大きく変わります。当院で骨格に関わる症例に固定式の装置を選択することが多いのは、装着時間に左右されず、狙った時期に確実に力を加えられるためです。固定式の装置については、下記コラムで詳しく解説しています。
子供向けのマウスピース型装置には、次のような利点があります。
透明または目立ちにくい素材のため、見た目への影響が少ない点。食事や歯みがきのときに取り外せるため、口の中を清潔に保ちやすい点。金属を使用しないため、装置が当たって口の中を傷つけるリスクが比較的低い点。そして、痛みを感じたときに自分で外せる点です。
学校に持っていかずに済む装置であれば、お子さまの負担も軽くなります。
一方で、知っておきたい注意点もあります。
これが最大の注意点です。取り外し式の装置は、外してしまえばその間は治療が進みません。「つけ忘れが続いて、想定した変化が得られなかった」という状況は、取り外し式の装置で起こりやすい後悔のひとつです。装着の習慣づけには、保護者の方のサポートが欠かせません。
特に「寝るときだけで楽そう」という理由でマウスピースを選ぶと、装着時間の管理が後回しになりやすい傾向があります。お子さま本人がまだ治療の意味を理解しにくい年齢では、なおさらです。この点で、装着時間に左右されない固定式の装置には明確な利点があります。固定式は装着したままのため、お子さまの協力度によって結果が変わることがなく、狙った時期に確実に力を加えられます。当院で、骨格に関わる症例や確実性を優先したい症例に急速拡大装置などの固定式を選ぶことが多いのは、このためです。
マウスピース型装置は万能ではありません。症状によっては、この装置だけでは整いきらず、追加の治療が必要になることがあります。「マウスピースで全部治る」と考えて始めると、期待とのずれが生まれます。
取り外せるということは、なくすこともあるということです。学校や外出先で外した際の紛失、うっかり捨ててしまうといったことも起こり得ます。再作製には時間と費用がかかる場合があります。
装着し始めた時期には、違和感や話しにくさを感じることがあります。多くは慣れていきますが、気になる場合はご相談ください。
マウスピース型装置は、多くの場合、装置単独の料金ではなく、一期治療全体の費用に含まれる形でご案内します。一期治療の費用は、使用する装置や治療内容によって幅があり、おおよそ数十万円程度が一つの目安です。装置や治療範囲によっては60万円程度になることもあります。このほか、初診相談料や精密検査・診断料などが別途必要になる場合があります。
当院では、治療開始時に基本料金をお支払いいただき、その後は通院ごとに処置料6,600円(税込)が加わる方式を採用しています。記載の金額は公開時点のものであり、変更となる場合があります。
小児矯正は、見た目や噛み合わせの改善を主な目的とする場合、基本的に健康保険の適用外となる自由診療です。実際の費用は、装置の種類や治療計画によって異なるため、正確な金額は精密検査後の見積もりでご確認ください。費用の詳細については、下記コラムもご覧ください。

木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科では、「寝るときだけで済むかどうか」を先に決めるのではなく、お子さまの症状に何が必要かを見極めたうえで、装置を選ぶことを大切にしています。
保護者の方が装着のしやすさを重視されるお気持ちはよくわかります。ただ、装置を続けやすいことと、その装置でお子さまの症状に対応できることは別の問題です。当院では、マウスピース型装置が適していると判断すればご提案しますし、骨格的な要因が関わり固定式のほうが確実だと考えれば、その理由もあわせてご説明します。
当院では、厚生労働省認定の歯科医師臨床研修指導医であり、日本矯正歯科学会や日本小児歯科学会に加え、日本睡眠歯科学会や日本小児呼吸器学会にも所属する院長が、診断とご説明を担当します。歯並びだけでなく、口呼吸や舌の癖といった機能面も含めてお子さまを診ていくことを心がけています。院長の詳しい経歴や保有資格は院長プロフィールをご覧ください。
子供のマウスピース矯正が寝るときだけで効果を期待できるかは、装置の種類と治療の目的によって決まります。プレオルソやT4Kのように就寝時+日中の短時間で設計された装置もあれば、インビザラインファーストのように1日20時間以上を前提とする装置もあります。
大切なのは、装着のしやすさから装置を選ぶのではなく、お子さまの症状に必要な方法を選ぶことです。そのうえで、続けやすい形を一緒に考えていく。この順番が、納得のいく結果につながります。
木場・東陽町で子供のマウスピース矯正をご検討の際は、THREE歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。開始時期の考え方については、下記コラムもあわせてご覧いただけます。
装置によって答えが異なります。プレオルソやT4Kは就寝時+日中1時間程度で設計されているため、寝るときだけに近い使い方が可能です。一方、インビザラインファーストは1日20時間以上が原則のため、寝るときだけでは時間が足りません。
プレオルソは顎の成長誘導や口呼吸・舌癖の改善を主な目的とし、就寝時中心の装着で使います。インビザラインファーストは歯を計画的に動かす装置で、1日20時間以上の装着が必要です。目的も装着時間も異なります。
プレオルソは5歳から10歳前後、インビザラインファーストは7歳から10歳前後が対象の目安とされています。ただし適応は歯の生え変わりの状態によって異なるため、診察のうえで判断します。
計画どおりに歯や顎が変化せず、治療期間が延びたり、想定した結果が得られなかったりすることがあります。つけ忘れが続く場合は、装着時間に左右されない固定式の装置への変更を検討することもあります。固定式の代表である急速拡大装置は、装着したままのため協力度に結果が左右されません。
すぐに歯科医院にご連絡ください。再作製が必要になる場合があり、時間と費用がかかることがあります。装着していない期間が長くなると、それまでの変化が後戻りすることもあるため、早めのご相談をおすすめします。
なお、治療の効果や適応には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるものではありません。最終的な判断は診察のうえで個別に行います。記載した費用や装着時間の目安は一般的なものであり、診断や装置によって異なります。

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。