指しゃぶりと歯並びの関係|悪い影響が出る…

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指しゃぶりと歯並びの関係|悪い影響が出る時期と自然に治るかを歯科医師が解説

2026年9月1日

「そろそろやめさせたほうがいいのかな」「このまま続くと歯並びが悪くなると聞いて心配になった」。お子さまの指しゃぶりが気になって、この記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。

先にお伝えしたいことが2つあります。ひとつは、指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動であり、早い時期のものを無理にやめさせる必要はないということ。もうひとつは、長く続いた場合に歯並びへの影響が出やすくなるため、時期を見て向き合っていく価値があるということです。

そして、指しゃぶりをやめれば歯並びが元に戻るのかという疑問については、時期によって答えが変わります。この記事では、その点を含めて整理してお伝えします。木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科の視点からお話しします。

小児矯正の全体像から確認したい方は、小児矯正とは|種類・費用・始める時期までわかる全体ガイドもあわせてご覧ください。

指しゃぶりはもともと自然な行動です

赤ちゃんが指をしゃぶるのは、目で見たものを口に運び、口の中で感覚を確かめるという発達の過程です。眠るときに気持ちを落ち着けるための手段にもなっています。

一般に、1歳半から2歳ごろにかけて少しずつ減っていき、3歳ごろまでには日中の指しゃぶりが目立たなくなるお子さまが多いとされています。ただし、卒業する時期には大きな個人差があります。

まずお伝えしておきたいのは、この時期の指しゃぶりを心配しすぎる必要はないということです。周囲のお子さまと比べて焦る必要もありません。

指しゃぶりが歯並びに悪い影響を与える理由

弱い力でも、長く続けば歯は動きます

歯は、外側から唇と頬に押さえられ、内側から舌に支えられることで、バランスの取れた位置に落ち着いています。

指しゃぶりは、このバランスに外から力を加える行為です。一回あたりの力は大きくなくても、毎日、長時間、同じ方向にかかり続けると、歯や顎の成長する方向に影響が及ぶことがあります。矯正治療が弱い力を長時間かけて歯を動かすのと、原理としては同じです。

指しゃぶりで起こりやすい歯並びの変化

指を吸う動きによって、次のような変化が起こりやすくなるとされています。

上の前歯が前に押し出され、前に出て見える状態になることがあります。指が上下の前歯の間に入るため、噛み合わせたときに上下の前歯の間にすき間が残ることもあります。

また、指を吸うときに頬に力が入るため、上あごの幅が狭くなり、奥歯の噛み合わせが横方向にずれることもあります。上あごが狭くなると、舌が収まる空間も狭くなり、口が開いた状態につながることがあります。

前歯にすき間が残ると、話すときに舌が前に出やすくなり、発音が不明瞭になることもあります。

研究で報告されている指しゃぶりについて

指しゃぶりやおしゃぶりの使用と歯並びの関係については、複数の研究がまとめられています。

2016年に発表された、15件の研究をまとめた解析では、こうした習慣と噛み合わせの問題との関連が確認されたと報告されています。特に、指しゃぶりは上の前歯が前に出る状態と関連が見られること、そして習慣が続く期間が長いほど、噛み合わせの問題が生じるリスクが高まることが示されています。

期間が影響するという点は、この記事でお伝えしたい要点のひとつです。何歳から始まったかよりも、何年続いたかのほうが歯並びに関わりやすいと考えられます。赤ちゃんの頃から続いていても早い時期に卒業できたお子さまより、始まりが遅くても長く続いているお子さまのほうが、影響は出やすくなります。

子供の指しゃぶりは何歳まで様子を見てよいか

明確な線引きがあるわけではありませんが、目安としてお伝えできることがあります。

2歳から3歳ごろまでは、発達の過程として自然な行動です。この時期に無理にやめさせようとすると、かえってお子さまの不安が増し、逆効果になることもあります。

3歳を過ぎても頻繁に続いている場合は、少しずつ声をかけていく時期と考えられます。この段階ではまだ焦る必要はなく、日中の回数を減らしていくところから始められます。

4歳から5歳ごろになっても頻繁に続いている場合は、乳歯の歯並びに変化が出始めることがあります。この時期には、一度歯科で状態を確認しておくと安心です。

永久歯の前歯が生えてくる6歳前後まで続いている場合は、その影響が永久歯にも及ぶ可能性があります。この段階では、歯科と相談しながら進めることをおすすめします。

指しゃぶりをやめれば歯並びは治る?

保護者の方から最もよくいただくご質問です。答えは、時期と変化の内容によって異なります。

乳歯の時期に指しゃぶりやめられた場合

乳歯が並んでいる時期に指しゃぶりを卒業できた場合、前歯の傾きや上下のすき間は、成長にともなって自然に整っていくことが期待できます。歯や顎がまだ大きく成長する途中にあるためです。

このため、乳歯の時期であれば、まず指しゃぶりをやめることに集中していただくのが基本になります。

永久歯に生え替わった後の指しゃぶり

永久歯が生えそろってからでは、自然に整うことは期待しにくくなります。永久歯は乳歯ほど大きく位置が変わらないためです。この場合は、矯正治療によって歯並びを整えることを検討します。

上あごの幅は自然には戻りにくい面があります

なぜ指しゃぶりで上あごの幅が狭くなるのか、その仕組みからお伝えします。

指を吸うとき、口の中は密閉されて圧力が下がった状態になります。上あごは、内側から舌に支えられ、外側から頬に押されるという力のつり合いの中で幅が育っていく部分です。指を吸っている間は舌が上あごから離れて下がり、内側から支える力が働きません。加えて頬にも力が入るため、外側から押される力だけが強くなります。この状態が長く続くと、上あごが横方向に育ちにくくなります。

前歯の傾きに比べて、こうして狭くなった上あごの幅は自然に戻りにくいとされています。歯の傾きではなく、骨格の育ち方に関わる部分だからです。

指しゃぶりを無理なくやめるためにできること

叱らないことが出発点です

指しゃぶりは、不安なときや眠いときに気持ちを落ち着ける行為でもあります。叱られると不安が増し、かえって指しゃぶりが増えることがあります。

指に苦い薬を塗るといった方法が紹介されることもありますが、本人が納得しないまま行うと、隠れて続けたり、別の癖に移ったりすることがあります。まずは責めないことから始めてください。

本人が納得できる伝え方を探す

4歳を過ぎたお子さまであれば、なぜやめたほうがよいのかを本人の言葉で理解できることがあります。歯の絵を見せながら説明したり、歯科医師から伝えたりすると、保護者の方が言うより素直に受け止めることもあります。

手持ち無沙汰の時間を減らす

指しゃぶりが出やすいのは、退屈なとき、眠いとき、不安なときです。その時間帯に、両手を使う遊びを取り入れてみてください。レゴのようなブロック遊び、粘土、折り紙、お絵かきなど、指先に集中できるものが向いています。両手がふさがっていると、自然と指が口から離れます。

寝る前は特に出やすい時間帯です。手をつないだり、絵本を読んだりして、手と気持ちの両方が落ち着く時間をつくることで、回数が減っていくことがあります。

できた日をカレンダーに記録して一緒に喜ぶ、といった方法が合うお子さまもいます。

装置を使う方法もあります

声かけや工夫では難しく、歯並びへの影響が出ている場合には、指を吸いにくくする固定式の装置を用いる方法があります。取り外しができないため本人の意志に頼らず、比較的短い期間で習慣が変わることがあります。

ただし、これは最初に試す方法ではありません。お子さまの年齢、歯並びの状態、これまでの経過を踏まえて、必要と判断された場合の選択肢のひとつです。

指しゃぶりを歯科に相談する目安

4歳を過ぎても頻繁に続いている場合、前歯が前に出てきたと感じる場合、噛み合わせたときに上下の前歯の間にすき間があると感じる場合、口が開いていることが増えた場合。こうした様子があれば、一度ご相談ください。

やめられないこと自体を、お子さまや保護者の方の努力不足と考える必要はありません。背景に不安があることも、癖として定着してしまっていることもあります。一緒に方法を考えていくことができます。

お口ポカンが気になる場合は、お口ポカンとは|子供の原因と治し方・トレーニングもあわせてご覧ください。

木場・東陽町のTHREE歯科・矯正歯科の考え方

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木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科では、指しゃぶりについて、やめさせることだけを目的にしないようにしています。

指しゃぶりは、お子さまが自分の気持ちを落ち着けるために身につけた方法でもあります。理由を確かめないまま取り上げると、不安が別の形で出てくることがあります。そのため当院では、歯並びの状態を確認したうえで、いま対応が必要なのか、もう少し様子を見てよいのかを一緒に考えるところから始めます。

当院では、厚生労働省認定の歯科医師臨床研修指導医であり、日本矯正歯科学会、日本小児歯科学会に所属する院長が、診断とご説明を担当します。院長の詳しい経歴や保有資格は<u>院長プロフィール</u>をご覧ください。

指しゃぶりの卒業は、保護者の方だけが頑張るものでも、お子さま一人が我慢するものでもありません。小児矯正は、保護者の方、お子さま本人、医院のスタッフが関わる全員で、お子さまのこれからを少しでも良い方向に向けていく取り組みだと考えています。うまくいかない時期があっても、通院のたびに一緒に確認していきます。

なお、歯並びへの対応が必要となり矯正治療を行う場合、見た目や噛み合わせの改善を主な目的とするときは健康保険の適用外となる自由診療です。一期治療の費用は数十万円程度が目安で、装置や治療範囲によっては50万円程度になることもあります。このほか、初診相談料や精密検査・診断料が別途必要になる場合があります。当院では治療開始時に基本料金をお支払いいただき、その後は通院ごとに処置料6,600円(税込)が加わる方式を採用しています。記載の金額は公開時点のものであり、変更となる場合があります。費用の詳細は子供の歯科矯正の費用・補助金・医療費控除ガイドをご覧ください。

治療には、装置装着後の違和感や痛み、歯みがきがしにくくなることによる虫歯のリスク、症状によっては二期治療が必要になる可能性などがあります。これらについても事前にご説明します。

まとめ|焦らず、時期を見て向き合ってください

指しゃぶりは赤ちゃんにとって自然な行動で、2歳から3歳ごろまでは無理にやめさせる必要はありません。一方で、長く続くほど歯並びへの影響が出やすくなることが、研究でも報告されています。

歯並びへの影響としては、上の前歯が前に出る、上下の前歯の間にすき間が残る、上あごの幅が狭くなる、といった変化が挙げられます。

やめれば治るかについては、乳歯の時期であれば成長とともに自然に整っていくことが期待できます。永久歯に生え替わった後や、上あごの幅が狭くなっている場合は、治療での対応を検討することになります。

大切なのは、叱らずに、お子さまが納得できる形で進めることです。うまくいかないときは、一人で抱えずご相談ください。

木場・東陽町でお子さまの指しゃぶりや歯並びが気になる際は、THREE歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。

指しゃぶりと歯並びに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 指しゃぶりは何歳までにやめたほうがいいですか?

明確な線引きはありませんが、2歳から3歳ごろまでは発達の過程として自然な行動です。4歳から5歳ごろになっても頻繁に続いている場合は、乳歯の歯並びに変化が出始めることがあるため、一度歯科で確認されることをおすすめします。

Q2. 指しゃぶりをやめれば歯並びは自然に治りますか?

乳歯の時期に卒業できた場合は、成長にともなって自然に整っていくことが期待できます。永久歯に生え替わった後や、上あごの幅が狭くなっている場合は、自然に戻ることは期待しにくく、矯正治療での対応を検討します。

Q3. 指しゃぶりで歯並びはどう悪くなりますか?

上の前歯が前に出る、噛み合わせたときに上下の前歯の間にすき間が残る、上あごの幅が狭くなる、といった変化が起こりやすいとされています。ただし、影響の出方や程度には個人差があります。

Q4. 苦い薬を指に塗ってもいいですか?

本人が納得しないまま行うと、隠れて続けたり別の癖に移ったりすることがあります。まずは叱らずに、なぜやめたほうがよいのかを伝えることから始めることをおすすめします。方法の選択については、お子さまの年齢や状況を踏まえてご相談ください。

Q5. おしゃぶりも歯並びに影響しますか?

おしゃぶりも指しゃぶりと同様に、噛み合わせに影響することがあると報告されています。研究では、前歯が前に出る変化は指しゃぶりのほうが起こりやすい一方、奥歯の噛み合わせが横方向にずれる変化はおしゃぶりで見られることが示されています。いずれも、続く期間が長いほど影響が出やすいと考えられます。

なお、治療の効果や適応には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるものではありません。記載した年齢の目安は一般的なものであり、最終的な判断は診察のうえで個別に行います。

参考文献

Doğramacı EJ, Rossi-Fedele G. Establishing the association between nonnutritive sucking behavior and malocclusions: A systematic review and meta-analysis. J Am Dent Assoc. 2016;147(12):926-934. 和訳:非栄養的吸啜行動と不正咬合との関連の確立。システマティックレビューおよびメタアナリシス https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27692622/

Camacho M, Chang ET, Song SA, Abdullatif J, Zaghi S, Pirelli P, Certal V, Guilleminault C. Rapid maxillary expansion for pediatric obstructive sleep apnea: A systematic review and meta-analysis. Laryngoscope. 2017;127(7):1712-1719. 和訳:小児の閉塞性睡眠時無呼吸に対する上顎急速拡大。システマティックレビューおよびメタアナリシス https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27796040/

監修医師:菊地 紗恵子

経歴
  • カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)歯学部短期留学
  • 明海大学歯学部卒業 柳生賞(成績優良賞)
  • 明海大学歯学部 卒業
  • 浦安ブランデンタルクリニック開業 院長
  • THREE歯科・矯正歯科 院長
資格・所属学会・団体
  • 厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
  • 顎顔面矯正セミナー 指導医
  • JCPDS日本臨床歯科補綴学会 専門医
  • IDIA国際デンタルインプラント学会顎顔面矯正外科 認定医、専門医、指導医(米国歯科医師会公認)
  • 日本矯正歯科学会(会員)
  • 日本成人矯正歯科学会(会員)
  • 日本歯科審美学会(会員)
  • 日本小児歯科学会(会員)
  • 日本睡眠歯科学会(会員)
  • 日本睡眠学会(会員)
  • 日本小児呼吸器学会(会員)
  • 江東区立平久小学校 学校医

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