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お口ポカンとは|子供の原因と治し方・トレーニングを歯科医師が解説

2026年9月1日

「テレビを見ているとき、いつも口が開いている」「注意しても、すぐにポカンと開いてしまう」。お子さまの様子が気になって調べているうちに、この記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。

先にお伝えしたいことがあります。お口ポカンは、口を閉じるよう注意するだけでは改善しないことが多い状態です。理由は、口が開いてしまう原因がひとつではないからです。

鼻がつまっていて物理的に口を閉じられないお子さまに「口を閉じなさい」と伝えても、苦しいだけで続きません。逆に、鼻は通っているのに癖として口が開いているお子さまには、トレーニングが役に立ちます。つまり、最初にすべきことは原因の切り分けです。

この記事では、お口ポカンの原因を4つに整理し、それぞれに応じた対応と、家庭でできるトレーニングをお伝えします。木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科の視点からお話しします。

小児矯正の全体像から確認したい方は、小児矯正とは|種類・費用・始める時期までわかる全体ガイドもあわせてご覧ください。

お口ポカンとは何か

お口ポカンは、安静にしているときに唇が自然に閉じず、口が開いたままになっている状態を指します。歯科では口唇閉鎖不全と呼ばれます。

唇は、本来は力を入れなくても軽く閉じているのが自然な状態です。閉じようとすれば閉じられるものの、意識しないと開いてしまうという場合も、お口ポカンに含まれます。

見た目の問題として気にされる保護者の方が多いのですが、歯科が注目しているのは別の点です。口が開いた状態が続くと、唇が歯を内側へ押さえる力が働きにくくなり、舌も上あごに触れる位置に収まらず下がりやすくなります。この状態が長く続くと、歯並びや上あごの成長に影響が及ぶことがあります。

子供のお口ポカンの原因

原因は大きく4つに分けられます。どれに当てはまるかで、対応がまったく変わります。

1. 鼻がつまっていて口を閉じられない

最も見落とされやすく、そして最も優先して確認すべき原因です。

アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイドや扁桃の大きさなどで鼻の通り道が狭くなっていると、鼻だけでは息を取り込めません。その場合、口を開けているのは癖ではなく、呼吸を確保するための必要な行動です。

この状態でトレーニングだけを続けても、思うような結果にはつながりません。まず鼻の状態を確認する必要があります。

2. 口のまわりの筋肉が育っていない

唇を閉じる力が十分に育っていないと、意識していないときに口が開いてしまいます。口が開いた状態が続くと唇を使う機会がさらに減り、閉じる力が育ちにくくなる、という循環が生じることもあります。

離乳食の時期に唇をしっかり使って食べる経験が少なかった場合や、やわらかい食べ物が中心の食生活が続いた場合に関わることがあるとされています。

3. 歯並びが原因で口が閉じにくい

前歯が前に出ている、上下の前歯の間にすき間が残っている、といった歯並びの状態では、物理的に唇が閉じにくくなります。

この場合は、筋肉のトレーニングだけでは限界があり、歯並びそのものへの対応を検討することになります。

4. 癖として続いている

指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖などが続くと、口が開いた状態が習慣として定着することがあります。もともとの原因が解消された後も、癖だけが残っているケースもあります。

指しゃぶりと歯並びの関係については、指しゃぶりと歯並びの関係で詳しく解説しています。

お口ポカンを放っておくとどうなるか

口が開いた状態が続くと、口の中が乾きやすくなります。唾液には細菌の働きを抑える役割があるため、乾燥が続くと虫歯や歯ぐきのトラブルが起こりやすくなることがあります。

歯並びの面では、唇と舌のバランスが崩れることで、前歯が前に出て見えたり、永久歯が並ぶスペースが不足しやすくなったりすることがあります。

口呼吸と顔の成長の関係については、複数の研究がまとめられています。2021年に発表された解析では、口呼吸をしている子供は鼻呼吸をしている子供と比べて、上顎と下顎がやや後方に位置する傾向や、顔が縦方向に長くなる傾向が見られたと報告されています。ただしこれは集団として見た傾向であり、影響の程度には個人差があります。

顔つきとの関係についてはアデノイド顔貌とは|子供の口呼吸と顔つき・歯並びの関係、口呼吸そのものについては子供の口呼吸|原因・デメリット・治し方で解説しています。

不安を感じられたかもしれませんが、すぐに何か起こるというものではありません。気づいた時点で原因を確かめ、必要な対応を考えていけば十分です。

子供のお口ポカンの治し方

まず鼻の状態を確認する

いびきをかいている、鼻をよくすする、鼻がつまっていると訴える、朝起きたときに口の中が乾いている。こうした様子がある場合は、耳鼻咽喉科や小児科での確認から始めてください。

鼻炎の治療で鼻の通りが改善し、自然に口が閉じるようになるお子さまもいます。鼻の中の状態は歯科では確認できないため、この順番を飛ばさないことが大切です。

いびきや鼻づまりについては、子供のいびきと鼻づまり|原因・受診の目安と歯並びへの影響でも解説しています。

歯科で口の機能と歯並びを確認する

鼻に問題がない場合、あるいは鼻の治療と並行して、歯科で口の状態を確認します。

唇を閉じる力、舌の位置、飲み込み方、歯並びや噛み合わせの状態を診たうえで、トレーニングで対応できるのか、装置が必要なのかを判断します。

歯並びが原因で口が閉じにくい場合は、歯並びへの対応が必要になります。上あごの幅が狭く、舌が収まる空間が足りていない場合には、上あごの幅を整える固定式の装置を用いることがあります。また、上あごの幅が狭いことで、噛んだときに上下の歯が左右にずれる交叉咬合や、下の前歯が上より前に出る反対咬合が生じている場合にも用いられることがあります。噛み合わせのずれを成長段階で整えることは、顎の発育のバランスを考えるうえで意味のある対応と考えています。装置の詳細は急速拡大装置とは|効果・期間・床矯正との違いで解説しています。

症状によっては、マウスピース型の装置を用いて口のまわりの筋肉の使い方を整えていく方法を選ぶこともあります。どの方法が適しているかは、診察のうえで個別に判断します。

家庭で取り組めるお口ポカンのトレーニング

鼻が通っていることが前提になりますが、家庭で取り組めるトレーニングもあります。無理のない範囲で、毎日少しずつ続けることが大切です。

ガム噛みトレーニング

覚えた舌の位置を、実際に使えるようにしていく練習です。噛む力と舌の動きを同時に使えるため、当院でもご案内することがあります。

まず、ガムを左右の奥歯で交互によく噛みます。片側だけで噛む癖があるお子さまも多いので、左右を意識してもらうことが大切です。やわらかくなってきたら、舌を使ってガムを一つのかたまりにまとめます。そのかたまりを、舌で上あごに押し当てて薄く伸ばしていきます。

このとき舌が上あごにしっかり触れる感覚が、先ほどのスポットの位置につながります。慣れてきたら、ガムを上あごに押し当てたまま、口を閉じて鼻で息をする時間をつくってみてください。

1回5分程度を目安に、食後などタイミングを決めて取り組むと続けやすくなります。噛むことで唾液が出るため、口の中の乾燥を防ぐという面でも役立ちます。

取り組む際の注意点もお伝えします。ガムは誤って飲み込む可能性があるため、保護者の方の目が届くところで行ってください。歩きながらや遊びながらは避けます。年齢の目安としては、ガムを安全に扱えるようになってからで、おおむね4歳以降が一つの基準になりますが、お子さまの様子を見て判断してください。砂糖を含まないキシリトール入りのものを選ぶと、虫歯のリスクを抑えられます。顎に痛みが出た場合は中止し、ご相談ください。

あいうべ体操

口を大きく動かすことで、口のまわりと舌の筋肉を使う体操です。

「あー」と口を大きく開き、「いー」と口を横に引き、「うー」と口を強く前に突き出し、「べー」と舌を下に伸ばします。この4つで1セットとし、1日30セット程度を目安に続けます。

声は出しても出さなくてもかまいません。食後に10セットずつなど、生活の区切りに組み込むと続けやすくなります。大人の方が一緒にやってみせると、お子さまも取り組みやすいようです。

舌の正しい位置を覚える

口を閉じているとき、舌は上あごに軽く触れているのが本来の位置です。上の前歯の少し後ろにある、少しふくらんだ部分に舌の先が触れる状態を目安にします。

まずはこの位置に舌を置いてみて、そのまま口を閉じて数秒保つ、という練習から始めます。慣れてきたら、鼻で息をしながら保つ時間を少しずつ伸ばしていきます。

唇を使って食べる

食事は毎日のトレーニングの機会でもあります。スプーンを口に入れたときに、唇でしっかり挟み取るよう意識してもらいます。前歯でかじり取る食べ方や、少し噛みごたえのある食材を取り入れることも、口のまわりの筋肉を使う機会になります。

トレーニングだけでは難しい場合もあります

正直にお伝えすると、トレーニングで改善が期待できるのは、鼻が通っていて、歯並びに大きな問題がない場合が中心です。

鼻がつまっている場合や、歯並びが原因で物理的に口が閉じにくい場合は、トレーニングを続けても思うような結果につながらないことがあります。しばらく続けても変化が見られないときは、原因が別のところにある可能性を考えて、一度ご相談ください。

続かないこと自体を、お子さまの努力不足と捉える必要はありません。

お口ポカンの治療には保険が使える場合があります

お口ポカンをはじめとする口の機能の発達の遅れについては、口腔機能発達不全症という診断名があり、2018年からこの管理が健康保険の対象となっています。

日本歯科医学会が示す考え方に基づき、食べる、話す、その他の機能に関する項目を確認したうえで診断されます。口唇閉鎖不全については、唇を閉じる力を測定し、年齢や性別ごとの標準値と比べて評価します。

対象となるのは18歳未満のお子さまで、診断がついた場合は、月1回程度の通院で指導と評価を継続していく形が一般的です。

矯正治療は自由診療ですが、口の機能に対する管理はこの制度の対象になる場合があります。ただし、すべてのお子さまが該当するわけではなく、診断基準を満たすかどうかは診察のうえで判断されます。また、制度の内容は改定によって変わることがあります。詳しくは診察時にご確認ください。

子供のお口ポカンは何歳までに対応すればよいか

お口ポカンへの対応に、明確な期限があるわけではありません。ただし、口の機能は成長とともに獲得していくものなので、早い時期から意識するほうが取り組みやすいと考えられています。

歯並びや上あごの幅に対応が必要な場合、上あごの幅を整える治療は6歳から12歳ごろが取り組みやすい時期とされています。13歳から15歳ごろは個人差が大きく、特に男の子は成長のペースが遅い傾向があるため、この年代でも対応できることがあります。16歳から18歳ごろになると工夫が必要になり、成人ではより専門的な方法が検討されます。ひとつの目安としては12歳前後までとお考えいただくとよいかと思います。

開始時期は年齢だけで決まるものではありません。小児矯正はいつから始める?開始時期の目安と一期治療のタイミングもあわせてご覧ください。

木場・東陽町のTHREE歯科・矯正歯科の考え方

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木場駅・東陽町駅からアクセスできるTHREE歯科・矯正歯科では、お口ポカンについて、まず原因を切り分けることを大切にしています。

トレーニングをご案内する前に、鼻で呼吸できているか、歯並びが口を閉じにくくしていないか、唇や舌がどう使われているかを確認します。原因に合わない方法を続けても結果につながらず、お子さまと保護者の方が「頑張ったのに変わらない」と感じてしまうためです。鼻の状態に問題がありそうな場合は、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

当院では、厚生労働省認定の歯科医師臨床研修指導医であり、日本矯正歯科学会、日本小児歯科学会、日本睡眠歯科学会、日本小児呼吸器学会に所属する院長が、診断とご説明を担当します。院長の詳しい経歴や保有資格は<u>院長プロフィール</u>をご覧ください。

家庭でのトレーニングは、続けることが何より難しい部分です。お子さま一人に任せるのではなく、保護者の方と一緒に取り組んでいただき、私たちも通院のたびに一緒に確認していきます。小児矯正は歯科医師だけで進めるものではなく、保護者の方、お子さま本人、医院のスタッフが関わる全員で、お子さまのこれからを少しでも良い方向に向けていく取り組みだと考えています。

なお、歯並びへの対応が必要となり矯正治療を行う場合、見た目や噛み合わせの改善を主な目的とするときは健康保険の適用外となる自由診療です。一期治療の費用は数十万円程度が目安で、装置や治療範囲によっては50万円程度になることもあります。このほか、初診相談料や精密検査・診断料が別途必要になる場合があります。当院では治療開始時に基本料金をお支払いいただき、その後は通院ごとに処置料6,600円(税込)が加わる方式を採用しています。記載の金額は公開時点のものであり、変更となる場合があります。費用の詳細は子供の歯科矯正の費用・補助金・医療費控除ガイドをご覧ください。

治療には、装置装着後の違和感や痛み、歯みがきがしにくくなることによる虫歯のリスク、症状によっては二期治療が必要になる可能性などがあります。これらについても事前にご説明します。

まとめ|注意する前に、原因を確かめてください

子供のお口ポカンの原因は、鼻がつまっている、口のまわりの筋肉が育っていない、歯並びが口を閉じにくくしている、癖として続いている、の4つに整理できます。

このうち鼻の問題は歯科では確認できないため、いびきや鼻づまりの様子がある場合は、耳鼻咽喉科や小児科での確認が出発点になります。鼻が通っていることが確認できれば、家庭でのトレーニングが役に立ちます。歯並びが関わる場合は、歯科での対応を検討することになります。

口を閉じるよう注意するだけでは改善しないことが多いのは、原因が人によって違うためです。まず原因を確かめることが、遠回りのようで一番の近道です。

木場・東陽町でお子さまのお口ポカンや歯並びが気になる際は、THREE歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。

子供のお口ポカンに関するよくある質問(FAQ)

Q1. お口ポカンは何歳ごろまでに治したほうがいいですか?

明確な期限があるわけではありませんが、口の機能は成長とともに獲得していくため、早い時期から意識するほうが取り組みやすいとされています。歯並びや上あごの幅への対応が必要な場合は、6歳から12歳ごろが取り組みやすい時期にあたります。

Q2. トレーニングだけで治りますか?

鼻が通っていて、歯並びに大きな問題がない場合は、トレーニングで改善が期待できます。一方で、鼻がつまっている場合や歯並びが原因で口が閉じにくい場合は、トレーニングだけでは難しいことがあります。まず原因を確かめることをおすすめします。

Q3. 口を閉じるよう注意してもいいですか?

鼻が通っていることが確認できていれば、声をかけること自体は問題ありません。ただし、鼻がつまっている場合、口を閉じることは呼吸を我慢することになります。繰り返し注意しても変わらない場合は、原因が別のところにある可能性を考えてください。

Q4. お口ポカンの治療に保険は使えますか?

口腔機能発達不全症と診断された場合、口の機能に対する管理は健康保険の対象になることがあります。対象は18歳未満で、診断基準を満たすかどうかは診察のうえで判断されます。一方、歯並びを整える矯正治療は、原則として自由診療です。

Q5. 何科を受診すればいいですか?

いびきや鼻づまりがある場合は、耳鼻咽喉科または小児科での確認をおすすめします。歯並びや口の機能が気になる場合は歯科にご相談ください。両方が関わることも多いため、並行して進めることもあります。

なお、治療の効果や適応には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるものではありません。記載した年齢や回数の目安は一般的なものであり、最終的な判断は診察のうえで個別に行います。保険適用の可否や制度の内容は改定により変わる場合があります。

参考文献

Zhao Z, Zheng L, Huang X, Li C, Liu J, Hu Y. Effects of mouth breathing on facial skeletal development in children: a systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2021;21(1):108. 和訳:小児における口呼吸が顔面骨格の発育に及ぼす影響。システマティックレビューおよびメタアナリシス https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33691678/

日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」 https://www.jads.jp/assets/pdf/basic/r06/document-240402-2.pdf

監修医師:菊地 紗恵子

経歴
  • カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)歯学部短期留学
  • 明海大学歯学部卒業 柳生賞(成績優良賞)
  • 明海大学歯学部 卒業
  • 浦安ブランデンタルクリニック開業 院長
  • THREE歯科・矯正歯科 院長
資格・所属学会・団体
  • 厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
  • 顎顔面矯正セミナー 指導医
  • JCPDS日本臨床歯科補綴学会 専門医
  • IDIA国際デンタルインプラント学会顎顔面矯正外科 認定医、専門医、指導医(米国歯科医師会公認)
  • 日本矯正歯科学会(会員)
  • 日本成人矯正歯科学会(会員)
  • 日本歯科審美学会(会員)
  • 日本小児歯科学会(会員)
  • 日本睡眠歯科学会(会員)
  • 日本睡眠学会(会員)
  • 日本小児呼吸器学会(会員)
  • 江東区立平久小学校 学校医

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